「睡眠経営」がQOSを向上する

人間にとって睡眠の時間は、食事、排泄と並んで生命を維持していく上での極めて大切な生活行為のひとつです。しかし、実は日本は睡眠の質QOS(quality of sleep)はあまり高いとは言えません。 

OEDC調査によると日本人の睡眠時間は加盟各国で最低の442分(7時間22分)です。平均睡眠時間が500時間を切るのは、韓国、ドイツ、アイルランド、デンマーク、オーストリアのわずか6カ国(日本含)で、それ以外の大多数国は睡眠時間は平均500時間を越えています。 

その一方で、日本が最も高いのが収入を伴った労働時間(363分)であり、文字通り寝る間を惜しんで労働に勤しむ日本人の姿が浮かび上がってきますし、働き方改革の重要性が叫ばれるゆえんと言えるでしょう。 

 そんなこともあり、近年ではSleep Tech(スリープ・テック)という名の下に睡眠の質を高めるための機器やサービス、施設の開発が積極的に進められています。睡眠の質をモニタリングするためのデバイス、睡眠をサポートするサプリメント、快適な睡眠をサポートするスマートベッド、仮眠室の有効開発など、さまざまな商品が生まれています。いずれ睡眠市場規模は10兆円規模に達するとの予測も出ています。 

 しかし、なかなか自己マネジメントが上手くない日本人。こうした機器の利用は進むでしょうが、統計データが変化するくらいの結果にはなかなか繋がらないのではないでしょうか。 すでに企業内においても仮眠室の利用を積極的に推奨するなどの動きも現れつつありますが、やはり睡眠はまとまった形でとられるべきなのです。まとまった時間を睡眠に当てることで、人間は規則的な生活リズムを得るように出来ているのです。

近年、健康管理もマネジメントの一環であるとして「健康経営」が唱えられてますが、いずれ「睡眠経営」も重要な企業テーマになっていくことでしょう。 

もしかすると適切な睡眠時間の確保も能力評価基準のひとつとなっていく時代が日本ではやってくるかもしれません。そうはならないためにも、在宅ワークやリモートワークがより推奨されていくべきでしょう。 

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