食品プリオーダーシステムがフードロスを解決する
平成31年4月農林水産省発表の資料によると、廃棄物処理法における食品ロス(可食分)は643万トンと言われ、10kgのお米が6億4千3百万袋分にも相当するそうです。多くの賞味期限切れの食材がスーパーや飲食店や家庭で捨てられています。
そんな社会課題を解決するアイデアの一つが「食品プリオーダーシステム」。事前に買う食品を予約し、お店で受け取る(家に配達してもらう)ことで割引になったり、より良い食材が手に入れられるよう(反対に、必要になったときに買う場合には割高となる)仕組みです。現状では、店で賞味期限切れ間近のものがいちばん安く売られていますが、フードロスを解消するためには、そのような行為に対する逆インセンティブを働かせる仕組みをつくるべきです。
具体的には、①より簡易に様々な小売事業者から購入できる「公的」なオンライン食材のプラットフォームを開発する、②オンラインでの食材購入に対して消費税など税負担を優遇する、③生産者・流通の状況を加味しながら食品消費の傾向を誘導するサプライチェーンをつくるなどの仕組みが考えられます。
さらに現状では賞味期限切れ間近の安売りを行う小売事業者や購入する消費者の税負担を増やしたり、期限切れ食品を加工事業者やNPOなどへの無償提供を義務づけるなどの対策も検討することも有効と考えられます。
また「食品プリオーダー」は、同時に料理の献立を考えたり、安く良い食材を探すための時間も削減してくれます。また、家庭内での注文履歴や在庫がデータ化されることで、献立提案などのソリューション開発も進むと考えられます。今後高齢化と過疎化が進む中で、深刻化すると考えられる買い物難民や貧困層を救う手立てとしても有効なものになるかもしれません。