“遺伝子ミール”が家族長寿の秘訣となる
あなたは、こんなご経験、またはこれに似たご経験がありますか?
ファンデーションを選ぶ際、自分の肌にぴったり合う色がない
服のサイズはぴったりだけど、自分の腕が短いのかいつも袖が余ってしまう
家族で毎日同じ食事をしているのに、自分だけ(あるいは家族のうちのひとりだけ)血液検査のデータがよくない(人がいる)
ひとりひとり、体質や体型、肌の色は異なるので、こういったこと起きるのは日常茶飯事です。商品のサイズや色は「既成」のいくつかのタイプがあり、それに合わせなければいけないことが普通です。また、家族でもひとりひとりDNAが異なるので、同じ食事内容が全員にとって健康的ということもありません。
ですが、昨今、テクノロジーの進化によって「パーソナライズ」という概念が生まれ、ひとりひとりの違いに対応したサービスや商品が次々に生まれています。
たとえば、化粧品の世界では、人工知能のアルゴリズムで顔の色を高い精度で測定し、カスタマイズされたファンデーションやリップを製造する技術や、その日の大気汚染のデータや肌の状態から最適なスキンケアを自宅で作ることができるデバイスなど、ひとりひとりにカスタマイズされた商品を提供するテクノロジーが生まれています。
また、皮脂に含まれるRNAを分析して将来の肌リスクを予測する技術や、唾液によるDNA分析から肌タイプを明らかにする技術も開発されています。
一方、食べ物の世界でも「パーソナライズ」の技術開発が進んでおり、採取したDNAサンプルを分析して最適な食事を提案するサービスや、DNA解析の結果をもとに最適なメニューを注文できるレストランなども登場しています。
また、医療の世界では、遺伝子のタイプから体質の違いを明らかにして行う個人個人に合った治療を提供する「オーダーメイド医療」も進展してきました。
いずれにしても、あらかじめ遺伝子タイプを調べておけば、健康のためにどのような食事が適しているか、美容のためにどのような化粧品が肌に合うのか、病気を治すためにどのような治療が必要なのかなど、個人に対応した最適解を知ることができるということです。
たしかに、家族でさえも異なるDNAに対応して、一緒に生活しながら、ひとりひとりが将来的に健康でいられる食事ができたら素晴らしいですね。1日に必要な栄養素は人それぞれ違いますし、控えないといけない成分もひとりひとり違うのですから。
とはいえ、家族で食事をする際、ヒトは同じメニューを食べたいと思うのではないでしょうか。
将来的には、見た目は全く同じでも、「味」や「組成」が異なる個人用の「遺伝子ミール」といったものが開発されるかもしれません。
例えば家族でカレーライスを食べるとき、糖質を控えたほうが良いDNAのお父さんには糖質やプリン体オフのカレー、塩分を控えたほうが良いDNAのお母さんには減塩カレー、スポーツが大好きで育ち盛りの子供には、電解質やタンパク質多めのカレーなど、見た目は全く同じでも組成の違う食事ができるようになるかもしれません。
(参考文献)
※1 excite ニュース
https://www.excite.co.jp/news/article/Kyodo_prw_202211179927/
※2 日経バリューサーチ
※3 vitamojo HP
※4 DNAfit HP
※4 東京女子医科大学 HP