生成AIが既存業界の仕組みを革新する
プロンプトという言葉を聞いたことがありますか?
プロンプトとは、例えばChatGPTで何かを質問するときに入力するテキストがプロンプト、もしくはプロンプトエンジニアリングとも呼ばれています。ユーザーが与えた情報や刺激に基づいて自動生成された回答を得ることができるため、事前に用意されたデータに基づいて答えを出す従来のAIとは異なります。
プロンプトで文章を生成する方法は、「教えて」「書いて」「要約して」「並べ替えて」「説明して」「リストアップして」「順に並べて」「分類して」「翻訳して」などの指示を出すことで、様々な文書が作成できます。さらに、文言や文脈を工夫して異なる指示をすることで、理想的な結果を得ることができます。
▼プロンプトの例:
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Q、プロンプトの書き方を3つ教えて
A、以下に、プロンプトの書き方の3つの例を示します。
1、具体的な質問形式:
“最も有名な建造物は何ですか?”
“映画のヒーローの名前を教えてください。”
“この国の首都は何ですか?”
2、絵画やイメージの説明:
“美しい海岸線を描いた風景画を生成してください。”
“優雅な白い馬のイラストを作成してください。”
“暖かくて穏やかな雰囲気を持つ夕焼けの写真を生成してください。”
3、特定のタスク指示:
“次の文を日本語から英語に翻訳してください。”
“この文を感情分析してポジティブかネガティブか判断してください。”
“与えられた数値リストの合計を計算してください。”
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このように簡単な指示で、様々な情報を瞬時に取得でき、多種多様な文書を生成できます。今後は膨大なデータをAIに学習させて、チャットのようなインターフェースで質問や指示をするだけで、必要な情報を取得できるようなるため、わざわざwebサイトをつくることも、複数のwebサイトを見にいくことも少なくなるかもしれません。
そのため、情報の取得や生成が便利になると同時に、現在のwebサイトやそこに付随する様々なビジネスやサービスの在り方も大きく変わる可能性があります。例えば、人々が複数のwebサイトを直接アクセスすることがなくなれば、現在の情報サービスや広告モデルなど、大きな変革が必要になってきます。
そして、画像生成AIにおいても、「色」「形」「素材」「画風」「数」「角度」「感情」などのプロンプトを工夫することによって、様々な画像を瞬時につくることができます。
▼プロンプト例:「背後からみた、光る電子部品でできたリュックを背負っている女の子が、巨大でレトロなロボットを見ている」
Made with AI (Bing/Image Creator)
このように簡単な指示で、様々な世界観や被写体を生成できます。今後はテキストを入力するだけで、イメージしていた画像や映像を瞬時に生成できるため、時間をかけて探したり、撮影したり、編集したりするとこが少なくなるかもしれません。
そのため、画像や動画の生成が便利になると同時に、現在の写真業界、映像業界、音楽業界、広告業界、エンタメ業界など、大きく変わる可能性があります。例えば、打ち合わせ中にテキストを入力するだけで、画像や映像が迅速生成でき、より明確で迅速な意思決定につながります。さらに、生成コンテンツのクオリティが向上すれば、その場で完成物として納品することも考えられるでしょう。将来的には完成した映像作品を受動的に見るだけではなく、視聴者が見たい映像をメッセージなどで投稿することで、瞬時に映像に反映されるようになり、様々なストーリーをその場で創作視聴できるようになるかもしれません。
AIやプロンプトの使い方によっては、様々なビジネスやタスクに影響があるため、当然恩恵もあれば、弊害もあると思います。いずれにしても技術進化のスピードに合わせて、常に既存のビジネスモデルを変革させることが重要だと思います。