GM作物やGM昆虫で、食を通したQOLを改善

遺伝子組み換え作物(以下、GM作物)の耕作面積が年々拡大しています。これは、世界の食糧問題が課題となる中で、収穫地域の環境への適合や農薬への耐性などを改良し、収穫量の増加や生産コストの抑制が期待されてきたためです。今後、バイオテックの広がりと共に、GM作物はさまざまな食品を改良していきます。そのため、種苗業界ではバイオメジャーにより寡占化が進んでいるのです。

現在、世界の種子市場の8割がトウモロコシや大豆などの穀物種子で、この改善は現在も続いています。一方、耕作地が限られる日本では、生産性の改善とは異なる視点で、バイオテックの活用を考える必要があるのです。

例えば野菜などの好き嫌いをなくすこと。多くの子どもに、嫌いな野菜があるといわれています。バイオテクノロジーによって、イチゴ味のピーマンなどが開発されるなら、ピーマン嫌いはなくなるのかもしれません。また、食物アレルギーの抑制も考えらえます。スギ花粉米などの研究も進んでいますが、その他にも卵や乳製品、小麦粉などのアレルギーの原因となる食物は数多くあります。これらのタンパク質構造を操作し、日々の食生活のストレスの低減にも期待されます。この他、病院食から糖尿病など特定疾患を抱える人々のQOLの改善が進むのです。

また、昆虫食の付加価値化も考えられます。昆虫も良質なタンパク源として期待されていますが、味の他に、見た目の問題もあります。そこで、味はもちろん、その姿にあるネガティブな印象を回避する改良も必要です。遺伝子組み換えによって、味、アレルギー対策、見た目の改良等を施したGM昆虫の大量生産によって、世界中の人々の食料問題も改善されていきます。

これらの他にも、ローフットフードなどのサステナビリティを意識した取組みにも、遺伝子組み換えの視点は広がっていくでしょう。バイオテックは、食生活のバランスから食べたいを我慢しない、さらに食による環境貢献まで、食起点で世界のQOL向上につながっていくのです。

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