OMO化が進み、選ばれるのは「気配りのマメ夫」ブランドに 

OMOという言葉をご存知でしょうか。「Online Merges with Offline」の略で、「オンラインとオフラインの統合」を意味するマーケティングの概念で、インターネット上の施策とリアルの店舗での施策を統合することなどを意味しています。現在中国を筆頭に進展が著しいのですが、スマホ、電子マネーなどのデータでその人の特性や好みをAIなどで分析把握した上で、リアルの店舗でその人にぴったりのサービスや商品を提供すること等が可能になってきています。お客さんの商品購入に関わるプロセスである「カスタマージャーニー」をまるっと把握し、先回りしてプロモーションできるのです。 

将来的には、特性や好みに留まらず「今日、今」の必要に直接応えるシステムに進化すると見込まれますが、これはマーケティング分野に留まりません。医療ではスマートウォッチのセンサーで随時生体データが計測され「高血圧の薬」ではなく「今日の体調に合った薬」が処方されます。お勉強も、タブレット上の日々の勉強とテストのデータから「今日つまずいた課題:分数の割り算」のレクチャーが即座に提示されます。保育園での生体データをご両親が見て「今日保育園で泣いた?何かあった?」と優しく質問したりもできるでしょう。

これまで優秀な店員さん、お医者様、先生、保育士さんしかできなかった細やかな目配りが、センサー+AIの仕事になってしまうのです。健康ジャーニー、お勉強ジャーニー、保育園ライフジャーニーが、ひいては暮らしのすべてがジャーニーとしてデータに基づき可視化され、そこにマーケティングの手法、人の認識や行動をコントロールする手法が投入されていくことでしょう。「生活時間すべて」という未開のフロンティアが、マーケティングの対象となり開発・開墾され、新しい商品・サービス・社会開発が進むでしょう。 
 

マーケティングに話を戻します。OMOの時代には「常に自分を見てくれて理解してくれて、必要な時に手を差し伸べてくれる商品サービス」が勝者になります。「美しいデザイン・高性能・高価格の商品サービス」だけのブランドは勝ち残れないかもしれません。「仕事ができてカッコいい憧れの人」よりも「いつも私を見てあれこれしてくれるマメ夫くん」がモテる、そんなブランディングの時代になるかもしれませんね。

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