レトロ風IoT家電で、温かみのあるIoTライフ

この数年、レトロ風の家電製品がちょっとしたブームの様相を呈しています。最初に注目されたのは任天堂が2016年に発売して大ヒットした「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ」に始まるテレビゲーム機をミニサイズで発売する動きでしょう。

これらは単なる外見やゲームの内容の懐かしさ以上に、それを現代でも手軽に面白く遊べるように、内臓メモリの活用などのアップデートを施している点は注目すべきです。

こうした動きは、テレビゲーム機だけではありません。ブラウン管風のハイビジョンLED液晶のテレビや、昔のストーブを模したデザインのオーブントースター、さらにはおもちゃではありますが、ポータブルレコードプレーヤー型のブルートゥーススピーカー などもあります。

IoTの発展や家電のAI化が進むと、機能をコンピューターで制御するため、逆にデザインの自由度はあがってくるようです。当初はソリッドで今風なデザインが多かったIoT家電の中から、温かみのあるレトロなデザインやアナログな操作感を持った家電品が登場しているのは興味深いところです。

また、この流れは昨今のアナログ製品の見直しの流れとも無縁ではなさそうです。アナログレコードの復活や、チェキや写ルンですなどのフィルムカメラ人気など、最近のアナログ人気は、仮想空間上ですべてを処理するデジタル社会とは逆な動きにも思えます。

しかし、WIRED創刊編集長のケヴィン・ケリーは「将来はデジタルとアナログが融合する」と指摘しています [1] 。アナログ製品のリアルな手触りとデジタルの最先端技術の融合の一端が、レトロ風IoT家電のような形で生活に浸透していく未来が待っています。

 

[1]デイビッド・サックス「アナログの逆襲: 「ポストデジタル経済」へ、ビジネスや発想はこう変わる」(インターシフト)より

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